子育てについて。。。
(2020年3月「教室だより」より抜粋)
子育てをしながら、私自身が母親として考えていたことがあります。それは、こども達は我が子ではあるけれども、一時的に天からお預かりしている命だということでした。私の子でありながら、決して私のものではない存在。だからこそ、子育てとは、その子が「自分らしさ」を発見する「お手伝い」をすること。そして、こども達が安心かつ自信を持って「自分らしく」親元を離れられるように備える「お手伝い」をすることだと考えていました。親の役目は、我が子が成人をして親元を離れても困らないように、親が持てるあらゆる知恵を、可能な限り授けることだと考えていました。
そうしてこども達が成人した今、心から思うことがあります。それは、人生において本当に大切なことは、自分が好きなこと、人、場所、自分の魂を注ぐにあたいするものを見つけられることなのではないかということです。早くこれをみつけられる人もいれば、みつけるのに時間がかかる人もいる。けれども、これを見つけられることが、その人にとっての幸福。十人十色の生き方があって、それぞれにとってのその人色の幸福が存在していいのだと思うのです。
恐らくまだ子育て期間が続く保護者の皆さまは、この先もしばらく子育てに迷い、重要な決断を迫られる帰路(今も正にそうかもしれませんね)にたたされることが多々あることでしょう。どうかその時には、周囲を見渡し、我が子をだれかと比較するのではなく、その子のその子らしい人生について考えてあげて下さいね。ピンチの時にこそ、我が子を最優先にして、その子の魂と向き合って下さいね。どんなに幼い子も、自尊心と意思をもっています。大人と大きく違うのは、自分の意思や考えを上手に言葉に出来ず、説明できないことです。だからこそ、大人がそのこどもの心に歩みより、真剣に耳を傾けることがとても大切な時があると思うのです。