ここからは前回、「夢が叶う時💃　その①」からの👇つづきです。

フラメンコを踊ることは

いつからか私のアイデンティティーの一部となり

私にとって

生きていく上でとても大切なことになっています。

パキスタンから帰国してからも

すぐにバタデコーラ（尻尾の長いスカート）を着用して踊る曲を練習してきました。

そして、ジンバブエに向けて出発することが決まってからは、

先生にご無理を言って

『Fandango de Huelva』という曲を急ピッチで仕上げていただきました。

お陰様でつい先日、そちらの振り付けも完成し

先生の優しいお心遣いで、小さなお披露目会で踊らせていただきました💃

ということで、

5月にジンバブエに行ったら

この『Fandango de Huelva』と、以前から練習してきた『Siguiriya』という曲を

復習しながら、更に踊りを磨きあげていこうと思っています。

ただ、人間というのは欲深いもので。。。

一つの目標を達成すると、また次の目標が欲しくなる。

これまでの学びに区切りがついたら、

また新しいことを学びたくなる。

人というのは、常に新たなことに挑戦しながら

自分が進歩し、進化していく実感を得ることに

生きていく上での大きな喜びを感じるのかもしれませんね。

勿論、既習のことを復習することはとても大切なことです。

反復練習を繰り返すことを通して

新たな発見や気づきを得

出来ないことが出来るようになり

苦手を克服をしていくことが出来る。

そして、技術や表現に磨きがかかっていき

応用力も育っていく。

でも、やっぱり復習だけでは面白くない！！

練習、復習したことが

ある程度自分の身になってきたら

新たなチャレンジが欲しいですよね？

というわけで

私はしばらく前から

バタデコーラの曲が終わったら

ある一つの曲を学びたいと思っていました。

それは、「フラメンコの母」と言われる

『Solea』という曲。

（『Solea』はスペイン語の「Soledad （孤独）」が訛った言葉です。）

人によって感じ方は違うのでしょうけれど

私のイメージする『Solea』は

母なる大地を感じさせるような

重厚で深い情感が込められた曲なのです。

外に向かってはじける思いを表現するというよりは

むしろ、心の内へ内へと向かうような曲。

大学生の頃から強い憧れがある曲であり

「いつか自分なりの『Solea』を踊ってみたい」と思い続けてきました。

そうして、ある程度経験と年齢を重ねてきた今、

体がまだ動くうちに、この曲にチャレンジしてみたいと思ったのです。

そんな次の目標が芽生え始めたある日、

ふと「でも、ジンバブエでどうやって『Solea』を学んだらいいのだろう？」という素朴な疑問が頭を過りました。

今の先生に、オンラインレッスンをお願いすることも可能ではあるのですが

一つ大きな問題が！！

それは、どうやらジンバブエでは、

電力供給とインターネットの接続が不安定だということ。

そうすると、オンラインでのライブレッスンをお願いしても、

予定通りにレッスンを受けることが難しくなることが想定されるのです。

「だとしたら、どうしよう！？」

あれこれ頭を悩ませていると

パンデミック下、パキスタンで

一人フラメンコを練習をしていた時のことを思い出しました。

世界中の人々がロックダウンで

活動自粛を余儀なくされる中で

日本のみならず、スペインのフラメンコ界でも

工夫をしながらオンラインでレッスンをする先生方が、続々誕生しました。

日本では、私の先生が、

正に、先陣を切ってそうした形のレッスンを始められたお一人でした。

だからこそ、その流れで、

パキスタンでも先生のレッスンを受講し続けることが出来ました。

パキスタンでは、隔週のペースで日本の先生のレッスンを受講しながら

もう少し学びを深めたいと思った時には

主にYouTubeを通じて

幾人かのスペイン人ダンサーの動画を視聴していました。

そんなパキスタンYouTube視聴フラメンコ学習生活をする中で

幾人かのスペイン人先生と画面上で「出会い」ました。

中でも、Inmaculada Ortega先生というダンサーは、

お人柄も温かく

仰っていることにも深く共感出来

教え方もとてもわかりやすく

私が好んで視聴していた方でした。

彼女の場合、コロナ禍当初は、

YouTubeに無料レッスン動画を投稿をされていましたが

やがて、パンデミックが長引くにつれ、更に工夫をされ、

ご自身のホームページを立ち上げられたのでした。

そのことを思い出し

「そうだ、InmaculadaさんのHPから振り付けを学べるかもしれない！！」

ダンス歴40年以上のこの先生は

パンデミックという試練の中でも

常に前向きさを失わず、

オンライン動画を使っての独自の教授法とシステムを確立されました。

そのホームページ上では、

かなり早い段階から、レベル別の有料レッスンを提供し始められたのです。

そんなわけで、久しぶりにInmaculada OrtegaさんのHPをチェックし

私が学びたい『Solea』があることを確認し

「いざとなったら、この先生のこのページを通してレッスンを続けよう！！」と

心に決めたら、

日本を離れてからもフラメンコを続ける希望が見え

とても安堵しました。

ところが、その正に翌朝

いつものように、何気なくInstagramを開いてみたら

なんと、前日に眺めていたInmaculada先生ご自身が

来日公演をされると！？

しかも福岡で！！！！！！

更に調べていくと、

来日中は、ライブ公演を2回される以外に

幾種類もの集中型レッスン、クルシージョをされるとのこと。

「福岡に行けば、生でInmaculada先生のレッスンが受けられるの？？？」

パキスタンで自主練をしながら

遥かスペインから配信されるYouTube動画を視聴し

励まされ、一方的に思いを馳せていた

出会ったこともない憧れのInmaculada先生。

あくまでもオンライン上の遠い存在だったはずのInmaculada先生なのに。。。

「この日本で、ご本人から直で学べるチャンスがあるの～～～？？？」

オンライン動画を視聴して。。。

とか言っている場合ではない！！

「これは行くしかないでしょ！？」

と思った途端

心臓がバクバク　ドキドキ

✨奇跡✨としか思えないタイミングでのInmaculadaさんの来日情報に触れ

もう興奮しすぎて、ソワソワソワソワ。

これが朝のことですから、その日一日

抑えきれない思いを胸に

一人ソワソワ、ドキドキ。

ようやく夜になって帰宅した夫と娘に

「あのね。

スペイン人の先生がね、もうすぐ福岡に来るの。

え～っと、私

ジンバブエに行ったら

オンラインでその人のレッスンを受けようと

昨日ネットで色々調べていたところだったの。

いざとなったらオンラインレッスンで振り付けを購入しようと思っていたの。

それがだよ、今日いきなりインスタに出てきたの！！

来るの！！　

噓みたいで信じられないんだけど。。。

それでね、

その先生がもうすぐ来日するの！！

日本で生のレッスンが受けられるの！！

でも、福岡なの！！」

そんな、思いが溢れすぎてまるで説明にならない言葉を発している

尋常ではない私の様子を理解して

ありがたいことに、夫も娘もすぐに

「それは絶対行かなきゃね！！」と

強く背中を押してくれたのでした。

そこからは、噓のように全ての手続きが順調に進み

あれよあれよと言う間に

福岡に行けることになりました。

幸い、集中講座にもライブにも

まだ空きがありました。

そうして、Inmaculada先生の踊る姿をライブで鑑賞し

ご本人直々に『Solea』のレッスンを受けることが出来ることになったのです！！

突然降ってきた、文字通り「夢のような」出来事に

「天にも昇る思い」でした。

ライブは、全席自由席だったのですが

会場に到着した段階で、すでに長い列の真ん中ぐらい。

それにも関わらず、会場に入って席を探していたら

何故か最前列に一つだけぽっかり席が空いているではありませんか？

確認をしてみたら、本当にそこには誰もいらっしゃらなくて

そこに座ることが出来ました。

これも、私にとっては「天からの贈り物」のようでした。

いざライブが始まってみたら

私の目の前、距離で言えば２メートルぐらい先にInmaculadaさんが！！

しかも、数多あるフラメンコのレパートリーの中から

Inmaculadaさんが選んで踊ったのは『Solea』！！

まだレッスンも受けていないのに

福岡に到着したその日のライブに行けただけで

「例え今日命が尽きても悔いはない」と思ってしまいました。

福岡到着翌日からのクルシージョ、集中講座は、3日間。

それぞれ１回あたり2時間の合計6時間のレッスンでした。

最初の２日間のレッスンは、２０：３０～２２：３０まで。

３日目は１８：３０～２０：３０まで。

普段なら、さっさとお風呂に入って寛いでいるような時間でしたが

憧れの人のレッスンが受けられるのです！！

実際のレッスンそのものは、想像通り、かなりの真剣勝負でした。

３日間という短い日程ということもあり、

振り付けの進度も早く

教えられた動きを、咀嚼する間もなく、すぐに踊らなくてはならない。

先生ご自身が、数回お手本を見せたら

すぐに「はい。やってみて！！」

そこでもたもたしている暇など無いのです。

レッスン中は、ずっとその繰り返しですから

久しぶりに気持ち良い緊張感の中

猛烈な集中力と瞬発力をフル回転させました。

それでも、私にとっては「奇跡の」生レッスンです。

先生から吸収出来ることは

どんなに小さな動きでも、アドバイスでも吸収したくて

全神経を先生に向けて「夢のような時」を過ごしました。

しかも、レッスンではなんと

先生がライブで披露して下さった

今まで見たこともないような動きや

「これってどうなってるの？」と思った動きも

細かく分解して教えて下さったのでした。

「これも教えてもらえるの？」と

これまた、「天にも昇る思い」でした👼

こうして、「不思議な導き」によって

これから『Solea』を習得したいと願う私にとって

勿体ないほどの導入レッスンを受けることが出来たのでした。

先生と直にお話する中で

先生のホームページの振り付けから

引き続きクルシージョで学んだことを深め

『Solea』を完成させることが可能なことも教えていただけました。

最終日には、一緒に写真を撮っていただき

最後には、こんな👇受講修了証もいただきました✨

「ただの紙っぺら」かもしれませんが。。。

私にとっては、若い頃から胸に抱いてきた

「いつかスペイン人の先生のレッスンを受けてみたい」という

「夢が叶った時💃」の証です。

帰り際、すぐに硬めのクリアファイルを購入し、

大切にそこに収めました。

これは、私の一生の宝物となることでしょう🎁

すご～く長い文章になってしまいましたが。。。

この一連の出来事は

「夢というのは、諦めないで願い続けていれば

自分にとって思いがけない時に

思いがけない形で叶うこともある」

ということを教えてくれました。

「夢見ることには、年齢は無い。

夢は、まるでこちらが予想もしない時に

天からのご褒美のように与えられることもある。」

そんなことを体験した2月でした。