不思議な導き⑫(パキスタンとフラメンコ💃 その1 音楽)
以前にも記したことがありますが
私がパキスタンに到着して
真っ先に取り組んだことは
イスラマバードのお家に
フラメンコ💃が練習出来るお部屋を作ることでした。
そして、お家のスタッフに助けられ
必要な床用クッション材と木の板、
壁用の鏡を入手し
好きな時に好きなだけ踊りの練習が出来るスタジオが完成したのでした。
以降、パキスタンで生活していた期間は
時間がある時にはこのスタジオに籠り
ストレッチ、筋トレ、ステップ練習
振り付け練習、
オンラインレッスン受講と
豊かな学びの時を過ごしました。
コロナ禍下で行動制約があり
思うように社交の時を持つことが出来ない時期でもありましたが
このスタジオを作ったことで
「一人時間」に奥行きが出来
何も予定がない日には
2時間でも3時間でもこのお部屋で過ごしていました。
そんな風にフラメンコ修行💃をしていたある日、
一人でステップを踏みながら、ふと
「日本人の私が、スペイン、アンダルシア地方発祥と言われる踊り、フラメンコを、パキスタンで練習していることは、不思議なことだな~」と思ったのでした。
南アジアのムスリムの国で、
一人フラメンコを練習する自分の姿を冷静に捉えた時
「いくら好きなこととは言え
パキスタンという土地で生活をする貴重な機会を与えられていながら
私は場違いなことをしているのかな?」という疑問が頭をかすめたのです。
もっとも、自分が「やりたいこと」をしていたわけですから
💃練習はしっかり継続するつもりでしたが。。。😊
さて、そんなことを感じながら過ごしていたある日
「フラメンコを踊るヒターノ(ジプシー、今でいうロマ族)は、北西インドを起源として西に流れていった」という内容の文章を目にすることになりました。
今までにも耳にしたことはあったはずなのに
無意識的に素通りしていたその言葉に
「えっ!? 北西インド?」
「ん?」
「当時はパキスタンもインドの一部だったから。。。
えっ?北西インドって言ったら、今正に私が居る場所も含むってこと!?」
「わ~~~~~~~~~!!」
そこでフラメンコを踊ることに違和感を感じるどころか、
「もしかして、私はフラメンコのルーツの一つと考えられる地に立って居る???」
そうとなったら、もう胸がドキドキ、ワクワク、ソワソワ😊
それまでのモヤモヤが一気に吹き飛び
イスラマバードのお家で
一人フラメンコを練習することに
突如、自分の想像を遥かに超えた深い意味が加わったのでした✨
そんな気づきをきっかけに、より深く調べていくうちに
イスラム神秘主義(スーフィズム)と深い関係がある
パキスタン、パンジャブ州発祥のQawwali(カッワーリ)という音楽が
実はフラメンコ音楽のルーツの一つであると考えられていることがわかりました。
つまり、そこで正に
北西インドの民とフラメンコが
音楽という切り口からしっかりと私の中で繋がったのです✨
さらには。。。
既にフラメンコ音楽とQawwaliのコラボも試みられており
両者のアーティストが協力して作成したアルバムまであったのです。
しかも、そのコラボアルバムに参加しているフラメンコ歌手とギタリストを見たら。。。
なんと!?
コラボアーティストは、よりにもよって
私が普段から好んで聴いているMiguel PovedaとChicuelo!!!!!!!
(余談1:
これと全く違う角度から、
Miguel Povedaの唄声と、
ムスリムの人々に日々の祈りの時刻をつげるアザーンとの類似性について触れた
過去のブログがあります😊
ご興味がある方は、是非👇からお読み下さい。)
(余談2:
帰国後の今、私はそれこそ、
ギタリストのChicueloの音楽に合わせて新しい振り付けを学んでいます💃)
そんなわけで、
調べれば調べるほど
「え~~~~!?」と興奮した
私の気持ちをお察しいただけますでしょうか?
私の胸の高鳴りは増すばかり。
ドキドキ♪ ドキドキ♪ ドキドキ♪♪♪
コロナ禍下であっても、
自宅に居ながらにして
重大発見続出!!
さて、実際に👆このアルバム内の曲を視聴して
Qawwaliとフラメンコ音楽の共通点を発見できたかというと。。。
👇以下にアルバムの中の一曲「Allah Hu」のYouTubeリンクを張り付けておくので
よろしかったらご視聴ください。
如何でしたか?
正直なところ
この曲を初視聴した時の私は
まず大爆笑💦
コラボをしようとしているのに
一曲の中で交わることに苦心し
交互に譲り合い、お互いの様子を伺いながら
無理をして二つの世界を融合しようとしているようで。。。💦
ただ、「歌い手さんの声の出し方や、
詩の構成には似たところがあるのかもしれないかな?」と
この曲は、Qawwaliの楽曲に
フラメンコのアーティストさん達が自分達の音楽を近づけようとした試み。
他方、以下の ”De Querer a No Querer”という
フラメンコのMartineteという曲種の唄では
Qawwaliの歌い手さんがフラメンコに寄り添えていると思いました。
最初にフラメンコの歌い手さん二人が唄い
三番目にQawwali歌手が入ってきます。
この曲では、三者がとても良い形で重なりあっていると思いませんか?
いかがでしょうか?
とにもかくにも
歴史的にフラメンコとパキスタンQawwali音楽に
何かしらのつながりがあるらしい(?)ことがわかったわけです😊
ところで、少しQawwaliから離れますが
実はこのように
「パキスタンとフラメンコにつながりがあるのかもしれない」と気づいてからの私は
外出をするにも
それまでとは異なる形で世の中を観る
新たなレンズを与えられました。
それは、
「パキスタン生活の中にフラメンコのルーツを探すレンズ」👓
そして、ある週末、
夫と近隣の公園を訪れた際
二人のおじさんミュージシャンに遭遇し
「おやっ!?」
歌い手さんの声の出し方
そして、途中から始まるリズミカルな4拍子が
フラメンコの「タンゴ」という曲種にとても似ていることに
一人心躍らせたのでした😊
👇その時の演奏は、以下のボタンからご覧いただけます。
ここまでくると、必然的に
「フラメンコ音楽とパキスタン音楽のつながりは見えてきたけれど。。。
いったい踊り💃の方はどうなの?」
となりますよね。
実は、踊りに関しても、色々と面白い発見があったので、
そちらは、次に触れていきたいと思います。