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コロナ禍下の大きな恵✨

コロナ禍が運んできた予想外の出来事は山ほどありますが。。。

その中で大きな恵みの一つとなったのは、

二人のこども達の就職活動を近いところから見守ることが出来たことです。

 本来であれば今頃はまだ留学先のロンドンの大学院で勉学に励んでいたはずの娘と

4月にはパキスタンに引っ越していたはずの私。

憧れの一人暮らしをしながら、大学最終学年の学業と就職活動をするのを楽しみにしていた息子。

 その3人が、どうしたわけか、

この数か月、一つ屋根の下で共に生活をすることになったことは、想定外の豊かな贈り物🎁でした。

 こども達が成人する頃から、

母親としての自分を諭しながら

今後こども達と一緒に暮らすことを望むことも

期待をすることもしないようにかなり必死に心の準備をし

猛烈に子離れの努力をしてきたので。。。

正直、私にとっては、かなり「棚からぼたもち」的な日々😊でありました。

 

興味が無いわけではないし

知りたいことは山ほどある。

けれども、私が発する一言が誤解を招き、誘導的になっては困る。

意図しなくとも、こどもにとって親の一言は必要以上に重みをもってしまう場合もある。

だから、自分自身がパキスタンに出発し、

こども達がそれぞれの場所で、

両親不在であっても、自分達の力で、

今後の道を決める姿をずっと思い描いていました。

ところが、神様のいたずらによって

二人のこども達が同時に、しかも自宅から就職活動をすることになったわけです。

大学4年生の息子と、大学院で学ぶ娘は、年齢にすると2歳半離れているので、

本来であれば、時期を異にして社会に出ていたはずでしたが、同時期の就職活動に!!

幼い頃から海外志向だった娘は、コロナ禍がなければ、海外での就職機会を探す可能性が大きいと思っていました。

けれども、コロナにより海外での就職市場も一気に冷え込み、気づけば弟にアドバイスをもらいながら、日本で活動を始めていました。


「本当だったら俺がお姉ちゃんからアドバイスをもらっているはずだったのに。。。」とつぶやきながら、

お姉ちゃんの相談にのっている息子の姿。

母親としては、なんとも微笑ましく、心がくすぐられました。

例年とは形式も実施方法も異なり、沢山の制約がある就職活動。

わが家では5月辺りから、外に出かける予定は無いのに、

こども達が順番にスーツに身を包む姿が目にとまり

お部屋のドアに「面接中」のメモが貼られる日が始まりました。

「あまり期待しないでね。」という息子に

「先が見えない今の状況で親が望むのは、ただ二人が健康で生きていてくれることだよ。

そして、これからも食べていけること。

それ以上のことは望んでいないの。

何の期待もしていないよ。

これから、どんな世の中になるかもわからないのだから、

ちゃんと時代の流れを見ながら、生きていく方法を見つけられる能力が一番大切だから。」

近くにいなければ、きっと知ることもなかった就職活動の一面。

エントリーシート以外に色々なテストを受けなきゃいけないこと。

多くの方々が学生に貴重な時間を割いて下さっているということ。

こども達が外に出ていたら、わからなかった一挙手一投足を

自宅からのオンライン活動だから、傍らから除き見し

タイムリーに報告を受けたりすることが出来たのも嬉しいことでした。

出来るだけ質問はしないようにしながらも、

傍にいるから、今まで知ることのなかったこども達(特に口数が少ない息子)の興味関心や考えも教えてもらうことが出来ました♥

こども達の話に耳を傾けながら、

各社の方々が就職活動をする学生に丁寧に向き合い、

率直かつ厳しい意見をきかせて下さること。

学生の考えを引き出し、歩みたい道を見つけられるように

手を差し伸べて下さることも学び、本当に感謝でした。

息子の方は、数社から内定をいただきつつ、

まだ可能性を試すために、現在も就職活動を続行中。

けれども、来春からは晴れて社会人になれる見込みがあること、本当に有難いことです。

 

娘の方も、この週末に希望していた方面から内定をいただけました。

このまま順調にいけば、これまで学んできたことを生かした職業につけることになりそうです。

育ってきた環境の影響もあり、父親が携わってきた国際協力に関係した職業を選んだ娘。

彼女が夢を見ている未来は、また父親とは違うけれども、

社会に出ようとする時、

わずかでも、父親と重なる方向を見ている彼女の今が純粋に嬉しいと思いました。

 少しくすぶる小さな嫉妬心を隠しながら、夫に

「娘が、気づいたら父親と同じように国際協力の分野に関心を持っていること、なんだか幸せなことだね。」

と投げかけてみたら

「僕は何も関係ないよ。何もしていないし。考えていることも、やりたいことも違うのだから。」

「でも、娘が父親と似た道を選ぼうとしたそのこと自体、想像もしなかったことだよ。

それは、嬉しいことじゃない?」

 「うん。そう考えてみたら。。。そうだね。」

 

夫とそんな会話をしてから、

夜のお散歩の時にそのことを娘に話してみたら、

「違うよ。パパじゃないよ!! ママとマヤだよ!!」

     (ちなみに、マヤは娘にとってのネパールの母のような存在です。)

「えっ???」

そう言われて。。。

ちょっと曲がりかけていたおへそが「シャキッ!!」と前に向き

ただただ胸がいっぱいになりました♥♥♥

 

娘が大学を卒業する時、彼女の卒業論文の序章を読んだことがあります。

その内容から、これまで家族で生活をした途上国での生活が、彼女の人格形成と価値観に、私が想像していた以上に大きな影響を与えていたことを知り、新鮮な衝撃を受けたことがありました。

家族でアメリカ、ネパール、バングラデシュで生活をする機会を与えられましたが、

その間私は、常に母親として、ただただこども達が健やかに成長できる環境を整えることだけを考えていました。

だから、その生活がこども達の考え方、世界観にどれほど大きな影響を与えていたかまでは、

そう深く考えたことがありませんでした。

私自身も幼い頃にアメリカ、そして中高時代にチリで生活をしたことがあったので、

海外での生活が、決して素敵な経験ばかりでは無いことを理解していました。

それに、海外で通用する人間が、必ずしも日本の社会で通用するわけではないことも学んできました。

海外で生きる自分と、日本にいる自分との間に生じる違和感を埋めながら、どこにいても「自分」であり続けることの難しさも。

 だからこそ、一つの国に執着するのではなく、

どこに行っても一人の人間としてしっかり立てる、どこでも通用する『自分』を確立した人」になることが私の永遠の目標であり、こども達にもそうであって欲しいと願ってきました。

だからこそ、例え私達が日本にいても、例え外国で生活をすることになっても、

常に置かれた場所を自分の場所として受け入れ、

その場所で多くの「好き」を見つけながら生活することを心がけてきました。

日本と各国の違い、欠点も利点もまずはジャッジするのではなく、全て一旦受け止められる人であること。


自分の望むことと、現実の違いを見つけて不平不満を言うことは簡単なことです。

けれども、ネガティブなことをみつける目と、それを語る口を一度身に着けてしまうと、

その瞬間から幸せが逃げてしまうような気がするから、

出来るだけそういう人にならないようにと心がけてきました。

 海外であっても、日本で生活をしている時でも、

こども達には、それぞれの違いを受け止めた上で、

どんなこともポジティブな視点から捉えなおすことが出来る視点と力を持った人になって欲しかった。

そして、そのためには、親として、ただ口先でそれを語るのではなく

信念に基づいた生き方を見せられる人になりたいと願ってきました。

親として、そんな願いをもっていたにも関わらず、

ある時から日本の社会に対してどこか苦手意識と違和感を持ち、

「海外にいる時の方が自分らしくいられる」と話すようになった娘。

大学時代、「HOME」であるはずの私と一緒にいるのにも関わらず

休暇中にボランティアで再訪したネパールのことを思いだしながら

「I want to go HOME!! (お家に帰りたい)」と涙した娘。

同じ帰国子女として、娘の言うことは痛いほどわかりました。

私も長い間ずっとそう感じていたから。

それでも、

「海外だけではなく、日本にいても貴女らしくいられる、そんな人になって欲しい。

そうなった時、初めて自分が完全になるはずだから。」

と、一緒に涙を流したことが、懐かしく思い出されます。


今回、想像もしていなかった流れの中で、日本の組織から内定をいただいた娘。

「本当に日本で仕事ができるのかな?」と家族全員がかなり心配をしていますが。。。

彼女の安心した幸せそうな笑顔を見ていたら、もうそれだけで今は十分です。


 お散歩中に娘の口から出てきた咄嗟の言葉から

彼女の進路選択に私も何かしらの役割を果たしていたと知らされ、

驚きと感動で胸がいっぱいになってしまい

その後、あまり質問が出来なかったことが少し悔やまれますが。。。

そんなことを本人の口からきけたこと

これも、このコロナ禍にいただいた大きな恵みでした。

 

最初はどうなるかと心配だったコロナ禍下のこども達の就職活動ですが

お陰様でどうやら、未来に向けての光が見えてきました。

国内、そして世界に目を向けても、悲しいニュース、不確実で不安定なニュースも多いですし、

まだまだポストコロナが見えないですが。。。

そんな状況下でも、二人のこども達が来春から人生の新しいスタートを切ることが出来る見込みが出来たことは

私達家族にとって明るい希望になりました。

こども達にこのような機会を与えていただけていることに、心から感謝しています。

 

最後に。。。

どんな時にも、どんな場所でも、どんな状況をもポジティブに捉える訓練の延長戦で

こども達と見つけた「コロナ禍下の就職活動の利点」をいくつかあげるとすると。。。

 

説明会、試験会場、面接会場に行くための時間、労力を節約できたこと。

暑さが増してきたこの季節、新しいリクルートスーツや靴を用意しなくて済んだこと。

そして、何よりも就職活動生二人の交通費が大幅に節約出来ました!!

つまり。。。本当に親孝行な就職活動でした😊!!