自分の身を守り、他者の身も守る💉
オリンピックが閉会し
日本のコロナ感染者数の動向を注視しながら
感染拡大傾向が早く収束することを祈るばかりです。
ワクチン供給の滞り以外にも
ワクチン接種に関して、
各個人間で接種することについて賛否両論があるようですが
今は何よりも「自分で自分の命を守る時」だと思います。
自分の命は、他人任せにしてはいけません。
全ての人が正しい情報を得て
それぞれが、今出来る最善の選択肢を選べるようにと
切に祈ります。
ここパキスタンでも
犠牲祭という大切な行事を境に
デルタ株感染者が急増しています。
そんな中、パキスタン政府も各州政府も
ワクチン接種者の数を増やすために
あれこれ知恵を絞っています。
まず8月1日からは、
飛行機搭乗、または外食(室内飲食)をする場合
ワクチン接種証明書が必要になりました。
(最も、現在は感染拡大のため、
基本的に飲食店での室内飲食は禁じられていますが。。。)
これ以外に、政府関係機関で働く人々は、
8月末までにワクチン接種を終えなければ
給与が支払われない可能性が示唆されたりもしています。
そして、感染状況が決して明るくない州では
ワクチン未接種の人の
携帯SIMをブロックするという話まで出ています。
そんなことから、今までワクチンの効果に懐疑的であったり
ワクチン接種を見合わせていた人々も
急にワクチン接種会場に殺到するという現象が起きています。
パキスタンでは、現在ワクチンは18歳以上の全ての人々に無料で提供されています。
そして、ワクチンを選り好みしなければ、
ある程度ワクチンの供給量も確保されています。
手続きも簡単で、
携帯から1166をダイヤルして、自分のID番号を入力して登録さえすれば
予約なしで接種会場でワクチンを受けることが出来ます。
また、登録さえ済ませれば、
接種記録、そして証明書発行までの手続きすべてを
オンラインですることが出来るようになっています。
4月下旬頃からは、外国人コミュニティからの強い要望もあり
外国人に対しても同じように無料接種が始まりました。
そんな中、パキスタンで暮らす私にとって
ここ何か月もの悩みの一つとなっていたのは
「いつ、どこで、何のワクチンを打つか」
ということでした。
というのも、
ワクチンの種類を選ばず、接種希望さえすれば
私自身もパキスタンでのワクチン接種が可能になったからです。
ただ、接種出来るワクチンの種類、選択肢、安全性が
私にとっての大きな懸念材料でした。
ワクチンが開発されて以降の
世界のワクチン供給動向を見ていると
どうしても供給されるワクチンの種類や供給量に
歴然とした国家間格差があり、
現段階で一番有効かつ、より安全だと思われる主要なワクチンは、
まず西欧先進諸国に供給されてきました。
その他の国々は
政治力、経済力如何で供給量が異なっています。
残念ながら、世界規模のパンデミックにおいて
結局は国家間の貧富の差や政治力の差が
各々の国民を救済出来るスピードにも深くつながることが
明白だと言わざるを得ないと思います。
実際に日本にワクチンが届くまでの待ち時間も
気が遠くなるくらい長く感じませんでしたか?
そして、供給が始まって以降
現在のワクチン供給不足に至る状況を含め
私自身は、少し不気味ささえ感じています。
こうして危機に直面した時に
明らかに私達の力を越えた、見えない権力をもった人々に
私達の生命に関わる大切な事柄を
判断、支配されているという現実を感じるからです。
それでも、他の多くの国々に比べれば、
日本は本当に「かなり恵まれて」います。
実施過程や供給量等、様々な問題や課題があるにせよ
日本でのワクチン供給計画や
先の見通しが発表されていく様子を見ながら
パキスタンにいる私は、かなり前からずっと
日本の状況を羨ましく思っていました。
そして、ワクチン接種の先の見通しが立たない自分の立場に
フラストレーションを感じていました。
パキスタンでは、
春頃から主に中国産のシノファーム、
シノバックという二種のワクチンが出回り始めました。
また、一時期は富裕層の間でお金を出せば
ロシアのスプートニクというワクチンを打つことも出来たようです。
また5月初旬頃にアストラゼネカも一定量入ってきました。
ただ、
・今後も日本との行き来の移動の予定があること。
・その際に様々な国、バックグラウンドの人と
同じ飛行機に搭乗し、空港等で同じ場で過ごす可能性が高いこと。
・また、現実的な動きとして、移動の際に降り立つことになる各国で
今後ワクチン接種証明書を求められる可能性があること。
・出来るだけ多くの国で認められるワクチンを接種しておきたいという思い。
等々、私の置かれた状況と
各種ワクチンの有効性のデータなどを見比べながら
実際に自分自身がどのワクチンであれば納得、安心して接種出来るか
ということを考えてきました。
そして、デルタ株の出現と
驚異的な感染力を目の前に
私もいよいよ今置かれた状況下で真剣に選択し
「ワクチン接種をする時が来た」と覚悟しました。
さて、日本でも、8月から海外在住者を対象に
一時帰国時に、空港でワクチン接種が出来るサービスを開始しました。
ということで、このサービスを利用するということも一つの選択肢に加わりました。
けれども、旅をする都度に強いられるPCR検査、
移動中の感染リスク、
感染状況に合わせた急なフライトの減便とキャンセル
一時帰国後のホテル隔離期間等
沢山のハードルを考えると
帰国してワクチンを打つことは、考えただけで気が遠くなり
どうしてもそのような選択をする気になれませんでした。
そんな矢先の6月中旬、
COVAXを通じてアメリカからパキスタンに向けて
2,500,000万回分のモデルナワクチンが贈られるという
新聞記事を目にしました。
「えっ?! 本当かな~?
でも、いつ供給されるんだろう?
きっと時間がかかるんだろうな~。
例え到着しても、私もこのモデルナワクチンの接種対象になるのかな?」
日本では当たり前のように耳にするモデルナワクチン。
私にとっては手が届かないと感じられたそのワクチンが
ここパキスタンで接種できる可能性の浮上は
私にとっては「夢のそのまた夢」みたいな話で、
事実ならば、嬉しすぎる✨ことでした。
新聞を読んだ途端
ドキドキがとまらないぐらいのスリルが始まりました。
以降、少しでもこのモデルナワクチンについての情報が欲しくて
日々新聞の隅々までに目を通していると
なんと、本当に一週間後には
アメリカからパキスタンに、モデルナワクチンが届いた🛫のでした。
「早い!! 本当に約束通りに届いた!!」」
実は、その前に、パキスタンへの援助として
もっと少量のファイザーワクチンも届いていましたが、
こちらは、接種対象が高齢者や持病がある方々、
そして海外に出稼ぎに行く予定があるパキスタン人
と限定的でした。
そんなこともあったので、
例え実際にモデルナワクチンがパキスタンに届いても
それを私みたいな外国人にも打ってもらえるのかが不明確でした。
なので、到着のニュースと共に、
夫と接種対象条件を一生懸命調べたのでした。
すると、モデルナワクチンの方は、
供給量も比較的多かったからか
ファイザーワクチンよりも接種条件が緩やかで
「近く海外に渡航予定がある人」も接種対象であることがわかりました。
「わ!!打てる可能性がある!!」
そこで、モデルナワクチンがパキスタンに到着した翌週の7月初旬
急いでワクチンを受けに行きました。
結果から先に書くと、
私にとって「夢のまた夢」だった本物のモデルナワクチンを
本当にここパキスタンで打ってもらうことが出来ました😊
実際にワクチンを打ってもらう時も気を抜けなくて
いくつものことに注意しました。。。
・接種会場で感染しないように気をつけること
・実際に対応して下さる方がマスクを着用しているかを確認すること
・注射針の使い回しが無いか確認
・ワクチンが正しく保管されているかを確認
・本当に注射器にモデルナの瓶からワクチンが注入されているかを確認
・何かがあった時のために、ワクチンの瓶のロット番号も自分で控え。。。
・自分の利き腕と反対の腕にワクチンを打ってもらうよう気をつけ
・ワクチン接種の記録が、データとして正しく入力されたかどうかを確認
日本にいる時以上に神経を使って
「自分の身を守り」ながら接種にのぞみました。
ただ、実は上記の「利き腕」に関しては
ワクチンの種類や注射針に気をとられているうちに
まんまと利き腕にワクチンを打たれてしまいました💦
初回は、接種会場となっていた病院で受けたのですが
よく見てみると、接種会場の入り口の真横が
感染者病棟入り口だったので
少し冷や汗をかきました。
それから一か月が過ぎ
8月一週目、無事に2回目の接種も終えました。
この一か月の間で
デルタ株が急激に流行し、ワクチン接種希望者も急増していたので
「2回目のワクチン、ちゃんと残っているかな?」と
少し心配してしまいました。
けれども、なんと、そんなタイミングに再度運良く
アメリカから追加ワクチンが到着したのでした。
もちろん、これらのワクチンが
パキスタンの人々に向けた支援であることは重々承知しているのですが、
お恥ずかしいですが、今回はモデルナワクチンを求めて
すぐに行動していました💦
パキスタンでは一外国人である私が、
パキスタンの人々に向けてのアメリカの援助の恩恵にあずかることを許され
本当に感謝に堪えません。
(余談ですが。。。
こんな時、日本もCOVAXを通じて
他国にワクチン提供をしているという報道は、
海外在住日本国民としては、実はとても有難いです。
どうしてかというと、
母国が、他の国々にも援助の手を差し伸べている事実は
逆の立場で他国間の援助の恩恵にあずかる私の中にある罪悪感を
少し和らげてくれる安心材料になるからです💦)
2回目のワクチン接種は、
イスラマバードのF-9パークという
ニューヨークで言えば、セントラルパークのような公園内の会場で接種しました。
少し脇道にそれますが、
2回の接種を経験してみて、
明らかに日本と大きく違うことがありました。
それは、「接種会場が男女で分かれている」ということでした。
恐らく、腕を出すなど、接種に際して
肌を出す機会が出来てしまうので
宗教上の理由から、男女が分離されているのではないかと?
そして、各会場共に、圧倒的に男性の数が多いことも目についたことの一つです。
男性の接種会場には長蛇の列が出来、
かなり人々が密に並んでいて、会場内での感染を心配してしまうぐらいでした。
他方、女性接種会場の方は、
ソーシャルディスタンスを気にしなくてもいいほど
男性会場と比べて、接種者数が極端に少なかったです。
ワクチンを受ける一女性の身としては、
全てがスムーズに早く終わって良いのですが。。。
この接種会場における男女比の大きな違いには
色々と考えさせられました。
特に一番気になるのは、
「現実として、ワクチン接種者が増えるにつれ、男性と同等数の女性達がワクチン接種に至るのか?
それとも、女性達は男性と比べて接種機会を得にくいのか?」ということです。
これについては、今後も少し関心をもって動向をみつめていきたいと思います。
噂にはきいていましたが
2回目のワクチン接種後
私自身も御多分に漏れず、
2日間ほど副反応で発熱、倦怠感に見舞われました。
私自身は、接種日夜から翌日にかけて、
熱よりもむしろ
経験したことがないような激しい倦怠感と体の痛みにかなり苦しみました。
けれども、幸い3日目には復活出来、本当に良かったです。
今回、こうして予想をしていなかった形で
自分にとって、より納得と安心をもたらしてくれるワクチンを
想像以上に早期に打つ機会をいただき
今の段階で得られる最上の安堵感をいただきました。
このことに、深く深く感謝しています。
そして、コロナ禍をきっかけに
再度「自分の身は自分で守る」という言葉の重みを感じています。
「自分の身は自分で守る」のは確かですが
そのためには、出来る限りの情報収集をすること
正しい知識を取捨選択すること
自分自身の行動に責任をもつこと
等が本当に大切だと思いました。
けれども、それと同時に、「自分事」であっても
やはり他者の協力や支えがなければ、
「自分の身を守る」ことも難しいのだと実感しました。
今回のコロナ禍は、「自分さえワクチンを打てばそれで良い」話でもなく
ワクチンを打ってもなお、感染の可能性が残り
自らの重症化は防げても、
他者を感染させてしまう危険性が残るということ。
そういう意味では、「自分の身を自分で守りつつ、他者の身も守る」
という意識を失ってはいけないのだと
改めて肝に銘じています。
私達の日本、そしてここパキスタン以外に
今は世界各国でデルタ株が猛威を奮っています。
ワクチン接種も進み、一時期は感染状況が収まっていた国々でも
再度の感染爆発が始まっているとこのこと。
特に気になるのは、今まである程度守られてきた
こども達や若い人達の感染率が高まっていることです。
特に、まだワクチン接種対象とならない年齢のこども達の
重症化のケースも出てきているようです。
若い命が、今後も守られるように
私達大人が責任を持って行動出来ることを祈っています。
せっかく幾種もの有効性が高いワクチンが開発され、
少し先に希望が見えたかのようだった未来に
陰りが見え始めていることは、本当に辛いですね。
けれども、手洗い、マスク着用、ソーシャルディスタンスを守ること
そして、外出を控えることは
引き続き感染予防に有効な手段なようです。
焦らず、希望を失わないで着実にこうしたことを継続できる私達でありたいですね。
コロナ禍は、地球で暮らす全ての人々の戦いになってしまいました。
どうか皆様も引き続き用心して
ご自身にとって「自分の身を守り、他者の身を守る」
一番の選択が出来ますように。
最後に。。。
私にとって羨望の的でありながら
「夢のそのまた夢」だった
決して簡単に手が届かない「モデルナワクチン💉」
それを受けられた日の喜びの大きさといったら。。。
一回目の接種日から、
↓の写真が、文字通り私の宝物になりました✨
この写真を見る度に、ニヤニヤ😊が止まらなくなる現象が。。。💦
数年前には、こんな写真が宝物になるなんて
想像も出来なかったですよね。。。💦
けれども、今は✨キラキラ✨にしか見えないのです。
まだもう少し、健康に生きていたいと強く思うのです😊