Vote like your life depends on it
”Vote like your life depends on it”
「自分の命がかかっていると思って投票しよう」
これは、今正に執り行われているアメリカ大統領選の一つのスローガンです。
以前にも書いたかもしれませんが、
現アメリカ大統領が選出された2016年から
私は捕らわれたかのようにアメリカのニュースを追ってきました。
政治や経済の行方に強く関心があるというよりは
むしろ大統領以下、
社会を支える重職にある人々の在り方、生き方、価値観、人間性と
その人達のリーダーシップが生み出す政策の結果として起こる
社会の変化に強く興味を持ったのです。
(それも、どちらかというと、「悪」影響の方ですが。。。)
あれから4年。
世界の中の「THE 民主主義国家」と思われた国が
たった一人の大統領の言動によって変貌していく姿に
ただただ圧倒されてきました。
私自身とは全く異質な価値観を持つ人が権力を握った時、
これまで私が常識、良識だと信じていたこと
守るのが当たり前だと思ってきた社会規範
人の行動や意思決定を統制するはずの法律の解釈が
権力者の意思で如何様にも操作、歪められ得ること
それが確かに可能であることに驚かされてきました。
結果として、絶対的な「正義」など無いことを、
この4年間で教えられてきたように思います。
そして、加速的に変貌するアメリカの在り方を眺めながら
自由、平等、人権、博愛といった概念が
如何に脆いものなのかということ
そして、それらが決して誰にとっても当たり前ではないことを見せつけられてきました。
そうした崇高な権利を獲得するために
これまで世界中の人々が命がけで戦ってきた歴史があること
また、世界のあちらこちらで、
未だにこの戦いを続けている人々がいることはわかっていました。
けれども、こうした戦いの歴史と自分の現在の生活とのつながりを
今までここまで切実なものとして感じたことがありませんでした。
私はいつも安全で守られた場所に安座し
自分自身の権利が直接大きく脅かされ得るシチュエーションを
想定していませんでした。
けれども、この4年間のアメリカの状況を通じて
基本的人権の概念は、
時代や、その時のリーダー、生きる国によって大きく左右されること。
どんな時代であっても、一度獲得した権利を、簡単に失うことが可能であること。
既得権にあぐらをかくことは出来ず、
一度得た権利を享受し続けるためには、
常に自分が生きる社会の動向にアンテナを張り、
それを守り続ける意識と行動が必要であること。
そんなことを学んできました。
そして、自分が生きる社会に対して
今まで以上に目を見開いていかなくてはいけないと
つくづく感じています。
今年はコロナの影響で、
11月3日の投票日を待たずして、
様々な方法で州ごとに期日前投票が執り行われてきました。
なので、投票日というよりは、
一人一人が「選挙期間にどのような投票行動をとるのか」を計画し
「与えられた一票を、確実に投じる」よう
アメリカでは大々的に呼びかけられてきました。
そんな中、強く胸に突き刺さった言葉が最初に記した言葉です。
「Vote like your life depends on it」
「自分の命がかかっていると思って投票しよう。」
自由と民主主義が確立されていたかのように思えていた
先進国アメリカ。
私がこれまで生きてきた時代には
常に世界のリーダー的存在であり
時には民主主義のお手本のような国であった一国で
今、その大切な民主主義を守るために
「命をかけて投票しなさい」という呼びかけがなされているのです。
本当に耳を疑います。
けれども、ニュースを追っていると
これが大袈裟な言葉ではなく、切実で真剣な呼びかけであるのです。
現大統領は、自己の利益、権力を得るために
手段を選ばず突き進み
考えを異にする者、自分に対して異論を唱える者を
立場の如何に関わらず、排除してきました。
その流れの中で、自分には不都合な真実を報道するマスコミに
”Fake News"というレッテルを張り
その噓や偽りをまるで真実かのように平然と語る文化を
世界中に広めてきました。
そんな生き方が確かにあること。
そのようなリーダーシップが法治国家で許され得ることにただただ茫然です。
一国の首脳が、堂々と科学を否定し、真実を歪め、
数えきれないほどの噓をとうとうとつくことが世の中でまかり通ること。
それは、先進国だからとか途上国だからとか
そんなことは関係なく起こり得ることなのです。
みるみるうちに、「THE 民主主義国家」が
さながら独裁国家かと思われる姿に変貌し
法の下の平等などといった概念が霞むほどの
国民の分断を煽ってきた大統領。
そして、このコロナ禍に爆発的に感染者が増え
死者数が世界一になっても
敢えて現実を否定し続け
国民を守る政策を打ち出すことすらしなかった大統領。
私はアメリカ国民ではありませんが、
政治や経済の行方というよりは
むしろ一人の人間の考え、精神や心理の在り方が
如何に社会や人々の生命を脅かし得るか
また、国の在り方さえも変える力があるのかという観点から
今回の大統領選に注目しています。
もっとも、例えアメリカ国民ではなくとも
アメリカに大きく依存して存在する私達の生活も
この選挙結果によって、大なり小なり左右されることになることでしょう。
というか、この4年間で多方面に渡って既に「悪」影響を受けているわけですが。。。
私達の国の「民主主義」概念も、
アメリカの動向如何によっては
さらに変質していく可能性も十分あると思います。
その大統領選もいよいよ今日です。
期せずして、この4年間
さながら評論家のようにアメリカ情勢を追い続けてきました。
今、この同じ空の下、民主主義を守るために
「命をかけて」自分の持てる一票を投じようとする人々がいることを覚え
明日はまた、選挙報道にかじりついていることになりそうです💦
もしもこの世に「正義」や「真理」があるとしたら
かなり身勝手だけれども、
選挙結果が明らかになった時、
私が信じる「正義」や「真理」
自由、平等の概念に近い考え方が
希望の光となって輝いていることを願わずにいられません。